テフラ(Tephra)とは?
(1)テフラとは?
火山が噴火すると,様々な噴出物が出ます.桜島や有珠山の噴火で降り積もるいわゆる「火山灰」,大島三原山やハワイのキラウエア山の噴火で流れ出る灼熱の「溶岩」,雲仙普賢岳の噴火で犠牲者を出した「火砕流」,三宅島の噴火で島民が避難する原因となった「火山ガス」などがあります.これらのうち,火山ガス(気体)と溶岩(半液体)を除いた,火山灰や火砕流などの(粒子として挙動する)火山砕屑物の総称を「テフラ」と言います.
(2)テフラの分類
テフラの分類にはいくつかの方法があります.
その1つに粒径で分ける方法があります.テフラのうち,粒径が2mm以下のものを「火山灰(Ash)」と呼びます.また,火山灰が固結したものを「凝灰岩(Tuff)」と呼びます.
また,構成物で分ける方法もあります.テフラは「火山ガラス」,「遊離斑晶鉱物」および「火山岩片」から構成されます.火山ガラスのうち,明色でスポンジ状ものを「軽石(パミス)」,暗色でスポンジ状ものを「スコリア」と特に呼びます.火山ガラスを主体とするものを「ガラス質テフラ」,軽石を主体とする「軽石質テフラ」,スコリアを主体とする「スコリア質テフラ」,また遊離斑晶鉱物を主体とするものを「鉱物質テフラ」と呼ぶこともあります.写真2がガラス質テフラ,写真1が鉱物質テフラの顕微鏡写真です.粒の大きさはいずれもおよそ0.1mmです.

写真1 写真2
(3)テフラの性質
火山の噴火によって放出されたテフラは,陸・湖・海を問わず広範囲に,しかも地質学的に一瞬に堆積します.また,他の泥岩や砂岩といった堆積物から容易に区別できます.このような特徴から,テフラは広い範囲に渡って厳密な同一時間面を示す最も優れた「鍵層」と言えます.加えて,火山砕屑物としての火山学的特徴,砕屑物粒子としての堆積学的特徴といった全く異なった特徴をも合わせもちます.そのため,a)層位学的アプローチ,b)火山学的アプローチ,c)堆積学的アプローチといった全く異なった観点からの研究が可能となります.
(4)おまけ
テフラをこよなく愛する人を「テフラリアン」または「テフラー」と呼びます(これはウソです).