氷河の上のオアシス クリオコナイトホール




 クリオコナイトホールとは,氷河の氷の上にできる小さな水たまりのことをいいます.きれいな円柱状の形をしていて,直径は数センチ,深さは数十センチで,水たまりの底にはクリオコナイトとよばれる黒い泥のような汚れがたまっています.クリオコナイトホールは,極地から高山まで,世界中の氷河で見ることができます.古くから北極の探検家などに知られており,ギリシャ語で”クリオ”が氷,”コナイト(コニーデ)”が汚れを意味しています.底にたまった黒い汚れが,日射を吸収して底部の氷を解かすことによって,このような円柱状のあなができるのです.

 クリオコナイトホールの中をよくみると,いろいろな雪氷生物をみつけることができます.たとえばヒマラヤの氷河のクリオコナイトホールには,雪氷藻類をはじめ,ヒョウガソコミジンコヒョウガユスリカの幼虫,バクテリアなどが住んでいます.クリオコナイトホールは,これらの生物にとって安定した水があり,汚れからの栄養も得られるとても都合のいいオアシスのような場所なのです.氷河の生物の生態を理解するためには,このクリオコナイトホールが,どんな場所に,どのようにしてできるのかを調べることが大切です.

クリオコナイトホールの文献



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